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分離不安、見捨てられ不安

 「見捨てられ不安」という言葉があります。

少々いろんな語感で使われる傾向にあるので注意は必要

ですが、関係性が原因と思われる精神疾患、精神障害等

についてはどうやらキーワードのひとつのようです。

マーラーがその対人発達論である「分離個体化理論」で

この言葉を使って発達課題を説明し、精神疾患の原因等

を語っています。

 こどもは2歳過ぎになるとそれまでの母子密着によって築

かれた安全な愛着を基盤に探索をしようとします。この時期

は探索したい、世界を広げていきたいという願いのある反

面、安全な愛着から離れてチャレンジしていくには不安が

伴います。ひょっとしたらちょっと違うかも知れませんが、

このあたりの心理状態像をこどもの側から能動的に語れ

ば「分離不安」、大人との関係に強く方向付けて語れば「見

捨てられ不安」という表現になるのかもしれません。

白石正久先生が「発達とは矛盾を抱えること」という表現を

されていますが、まさにその通りです。大きな願いの反面、

そこに葛藤があり、そのことを発達「課題」というのでしょう。

 この「課題」を理解するのに大事なことだと思われるのは、

分離がうまくいかないのではなく、その前に密着がうまく

いかないということなのだと思います。

子育て、支援は自立志向で語られる傾向がありますが、「ひ

とりでできる」基盤は「やってもらう」という依存や「いっしょ

にやる」という共同共感にあります。それをくぐらずに自発

自立分離などあり得ないはずです。

依存や共同共感の中で存在が肯定され、保障され、存在

危機には守ってくれるヒトがいることが確認されてはじめ

て、チャレンジができる。そして、そのチャレンジの中から仲

間とつながり、さらにはもっと大きな参加に飛躍していく。

このこと、押さえておきたい気がします。

支援はここから、ここに戻って。

 「二次障害」の理解と支援においてもこの「見捨てられ不

安」を切り口にしていくことが重要なのでないかと思います。

・発達障害に起因する共同共感形成の弱さは愛着の発達や
弱さにつながるといいます。拡散しがちな愛着は思春期前後
に関係性の希求となってあらわれますが、その頃には参加
や学習の課題などと交錯してしまい、大きな混乱に直面して
しまうことが少なくないようです。

・加えてその感覚認知関係性の特性が生きづらさになり、存
在の保障が危機になってしまう彼ら。
「I'mOK.」は「You areOK.」で支えられなければ絶対に成り立
たないのです。自己肯定感はその基盤に他者からの承認や
肯定が不可欠。

「愛着障害」「発達障害」「ストレス時代」にどう生きていくか、

どう立ち向かうか?が発達支援の大きなテーマなのだと私の

この夏の大きな気づきです。

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