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2010年11月

保護者面接のヒントⅡ

 続きです。
保護者面接でできあがりがちなのは、「伝えなきゃならない。」
から伝えるという構造です。
そもそもこれがヒト相互のやりとりのセオリーをまったくしてい
るものだと気が付きました。
相手の状況や都合をまったく考えていない。
わかってもらえないのはむしろ当然です。

「伝えなきゃならない。」のなりたちには“責任”意識も介在しま
す。早期発見早期支援やライフステージを通じた支援、移行
支援なんていう用語が支援者の責任意識を駆り立てます。

待てよと思うのです。
支援者がみんな、課題を抱えた個への責任で家族と向き合っ
ているのかということは確認しなきゃいけない。
案外、次の支援者や次の機関、先の機関から文句言われない
ようにという自己防衛の“責任”もけっこうあるように思います。
これは支援者の自分勝手でしかない。
支援で自己が先行することは本質的にはありえないと思うので
すが、本当によくあることです。

そして…
こどもの支援者はこどもを支援する。
これは当たり前。
でも、こどもしか支援できない支援者も多いのです。
こどもの後ろ側には家族がいます。
かわいいこどもに欠かせない存在として家族もまた大事と思え
るかどうかはポイントかと思います。

コミュニケーションとは双方が「変わること」だと聞いたことがあり
ます。
これは目が見開かれます。
安定した個同士のやりとりだと普通考え、受け渡しや交流ととら
えます。何かを受け渡そうとばかりしがちです。
この場合は「わかってもらおう。」を渡そうとしがちです。
でも、保護者面接も支援者と家族が向き合って変わろうとする場
と捉えたときみえてくる地平があります。

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保護者面接のヒント

 本を読んでいて思い出しました。
短期療法・ブリーフセラピーでは、面接の相手をアセスメント
して、面接の方向性を考えていきます。
これは大事なこと。
家族がわかってくれないというけれど、相手をみてやりとりし
ていない現実もあります。

具体的には…
①問題を表明しない相手=積極的でない来談、受け身の来談
②周囲に問題があるという相手
③問題意識がある相手=自分に問題があると考えている相手
というような分類をします。

そして、①には世間話にうち興じる等して関係を作り、そのまま
帰す。②は周囲への観察力をほめ、問題解決にむけた資源を
みつけ、観察課題を出す。③は解決像やゴールを話し合い、行
動課題を出すのだそうです。
「人をみて法を説け」という言葉がありますが、まさにそれです。

 もうひとつ大事なのは、面接で相手を積極的にほめようとする
のです。
・まず来談をほめる。
・文句が多いヒトでも文句いうほど注意を向けていることをほめる。
・問題、課題意識があることをほめる。
等々

「家族がわかってくれない」は実に様々な構造からなりたっている
のですが、「こちらの構えが悪い」という要素についてはこんな風
に検討の余地があると思っています。

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自閉症・発達障害ってなんだろう?

 とぼけたタイトルでごめんなさい。
先日、あるシンポジウムで自閉症教育を今後どのように?
という議論をしていました。

なぜ特別支援教育ではなく、自閉症教育なのかというと特
別支援学校での議論だったからです。
新学習指導要領「自立活動」の中に「社会性の学習」が位
置づけられ模索がはじまっています。
そこで自閉症教育の方向性はという議論でした。

壇上では豊かに議論が展開し、ステレオタイプな自閉症観
や間違った構造化の話が百出、支援されるようになったか
らこそ出てきた現場の現実をどうかえていくかという話の流
れでした。
その流れでじゃあ自閉症と知的障害の違いって何という話に
なり、シンポジストが皆、脳機能と認知が違うといっていました。

ちょっと考え込みました。
シンポ全体が自閉症の認知にどうアプローチするかという方
向性になっていたのですが、そのことばかりに目を向けるの
は危険なのではないかなと思うのです。
「みんなとの感じ方の違いが関わりや参加に影響を及ぼ
している」
そのことを忘れない方がいいのではないか?

同じ流れで新しいステレオタイプが生まれつつあるのではな
いかと感じました。
関わりや参加がうまくいかないヒトはSST的な活動をすれば
よいというようなかたい思考です。
社会性の学習=参加をどう支えるかではじまってしまっている
のですが、その前の初期発達をどう支えるかとか関係発達を
支える視点が欠落してはじまりつつある気がするのです。

どんな学校もクラス、集団で形成されているので「参加」から
はじまりがちですが、実は参加ができる発達段階はかなり高
次のもの。
その前にやることがある。
社会性の学習の前に関係発達の支援が必要なのだと思って
います。

うーん。思案投げ首です。

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巡回相談の方向性③

 今更ながら…のつぶやきです。
巡回相談というのはコンサルテーション、専門家による専
門家の支援です。
この関係と構造を大事にする方法でやっていかなくてはな
らないなとふと思ったのです。

なんとなくなのですが、そのためには「答えを教える」みた
いなやりとりやスーパーバイザーとスーパーバイジーみた
いな構造をつくっちゃならないなと思うのです。
それをつくってしまうと教えるヒトと教えられるヒトになって
しまい、その構造は依存につながっていく。
もちろん、相手の構えや支援の成熟度にもよるのですが、
あくまでもヒントを提供していく存在であり、相手の立場や
方法を尊重するというスタンスでなれればならないのだろう
なと感じます。

それから言い回しはよくないのですが、相手の依存的な
仕掛けに乗らない立ち位置も必要なのだろうと思います。
・先生扱いに気をよくしない。
・巡回の頻度や回数に気をつける。
・~してあげる仕事を極力さける。
・個別のケース相談だけでなく、研修という形での支援技術
原理の提供も併用していく。

先日、巡回相談で発言したことをこちらでまとめて文書をよ
こせと変な注文がきたのでそれはお断りしました。

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巡回相談の方向性②

 巡回相談でもうひとつ。

「巡回相談の目的は相談員に慰めてもらうことじゃないよねえ。」
とある方がお話ししてくれました。
まあ、そりゃそうです。
ただし、それは主たる目的ではありませんが、副次的な産物で
はあり、相談がうまくいくためには必要な方向のひとつではあり
ます。
状況を理解し相談者の支援を肯定していった結果や共感をし
ていった結果、カタルシスが起こります。
でも、それは目的ではないな、気を付けなきゃいかんと思いまし
た。

「そういってもらえるとうれしい!」にこちらもうれしくなりますが、
巡回相談の成果とゴールはよき支援がなされることであり、そ
の場の居心地の良さなんかではありません。
相談の場では技術を語る、支援の方向を共有すること忘れては
いけないなと思います。
いつも具体的なことを語る。
しかし、よき支援をやってもらう、提案した方法を飲み込んで実
践してもらうためには相手とつながる、伝わるやりとりでなければ
ならない。
そこにラポートをとることは必要で、日本的に言えば「情にほださ
れる」ようなつくりは必要な技術のひとつではあります。

よき確認をしました。

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巡回相談の方向性①

 ある研修会でのこと。
大学の先生がアメリカでは相談室のカウンセラー養成を
やめたんだよと教えてくれました。
相談はアウトリーチが基本ということになったんだそうです。

よく考えたらそりゃそうで、我が社だって来園の相談、外来相
談なんてほとんどありません。(地の利の悪さもありますが)
発達支援のための相談もソーシャルワークの相談も巡回相談
や出ていっての相談中心です。
相談室の相談は相談者に相談の動機があって行われるもの
であって、家族が相談のフレームに乗っかるまでの道のりが
長いとか家族自身が困難を抱えていて乗っかることができない
ということがほとんどなのだから相談はアウトリーチにというの
は当然なのかもしれません。

今後は発達相談の中でリスクをみつけてソーシャルワークを組
み立てていくということも積極的にやらなくてはならないかもしれ
ないねという問題提起もありました。
私は虐待臨床に半分身を置いていますので、そういう視点で発
達の相談にも臨んでいますが、通常は分業がなされています。
しかし、現実はこどもの支援は入り口で…というケースが満載
であることを思えば巡回相談員はソーシャルワーカーでもなけ
ればというのは現場の現実に添っているのでしょう。

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高校の特別支援教育

先週、新しいLD研究が届きました。
高校の特別支援教育が特集です。ようやくちょっと動き出
している動向が読みとれます。
中学校もまだまだな現場を思うと、何を期待していいのか
わかりませんが、新しい切り
口で発達の課題を抱えたこども達に手が差し伸べられる
ことを期待したいです。
小さな年齢の時のような不適応は見えないかもしれない。
けれども、うまくやれてないヒトたちの支えに手だてを見つ
けてほしい。
それからもう一方で大きな困難に直面している二次障害へ
のケアを始めて欲しい。
何よりも希望に満ちた進路をプレゼントしてあげて欲しい
のです。

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まるなげ

 とあるチェックリストをみていたら、
「巡回相談員や専門家に支援を丸投げしていないか?」
という項目がありました。
ちょうど巡回相談のまとめをしていて、改めて資料みると
「どうしてこんなこと尋ねてしまうのか?」というようなこと
「丸投げ」満載です(笑)
よくとるととそれだけ困り感が高じているのでしょうし、支
援者ってものは率直で腹がないとでもとれますが、それ
にしても「それを尋ねてしまうあなたの専門性って何?」
って言いたくなるような内容が多いのです。

①支援者がびっくりするぐらい定型発達について知ら
ない。そしてそれを尋ねようとする。
②行動問題の改善の視点、クラスにはめる視点での
みケースと支援が語られる。
③個の特異性のみが語られる。差別に近い。
④「どんな声かけが良いのか?」
 声をかければ支援なのか?
 言い回しを知りたいなら自分で考えて欲しい。
⑤トラブルへの対処は?
 トラブルが起こらないようにすることです。
⑥正答や方法をひとつ知ろうとする。
 それを言わせようとする。
 他に方法はないだろうか?という質問をする。
 自分で考えようとしない。

コンサルテーションとは専門家による専門家の支援のこと
です。
もうちょっとプライドをもって仕事をしてくれ~
こどものことをもっと学んでくれ~
現実を見つめる言葉や視点を日々探そうとしてくれ~
ヒトは自分の状況や文脈でしか物を考えられないものです
がもうちょっとどうにかならないかものでしょうか。
怒っちゃいけない、受容して、包容同化してと思いますが
なかなか簡単ではありません。

ネガティブな感情をちゃんと受け止めて、闘争も含めた戦
略を練っていかなくては。
なんだか因果な商売です。

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