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2011年11月

巡回相談の機能分析

 巡回相談の仕事を振り返って話す必要があり、まとめてい
ます。幼稚園・保育園への訪問です。

基本的には園での支援に対するアドバイスが中心です。
その他コーディネイトをけっこうしていることに気づきました。
チームによる訪問ですし、市町のスタッフと協働して1回ポッキ
リの相談にならないように、市町域の支援体制をつくりながら
の訪問なので、役割分担や次につなぐためのコーディネイト
は重要です。

・発達評価(診断・検査)のコーディネイト
・継続支援のコーディネイト
・経過に対する情報提供、共有

ざっと見ると、こんな感じです。

チームによる巡回は世間でもこんな感じでしょうか。
その場で瞬発力をもって助言するというのが基本スキルなので
しょうが、それだけだと巡回相談が消費されてしまう可能性があ
ります。

巡回相談の消費…現場のスタッフだけでなんとなくきいて支援
が実行されるかどうかは担当任せ。
もちろん、やってくれそうな内容提案をしなければなりませんが、
毎回毎年おんなじお尋ねが来るという「消費」はまだけっこうあり
ます。
園内でも複数にきいてもらう。
関係機関につないで継続支援してもらう。
等のつみあがる支援のコーディネイトが重要だと思います。

※前回の記事に対するzarioさん、923さんのコメントありがとう
ございました。
答えは出ませんが、現実とあるべき姿の間で本当に迷います。

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教員は検査をとれるようになるべきか?

 刺激的なタイトルですいません。
地域の支援をめぐって表題のような課題が出てきて考えてい
ます。

特別支援教育においては発達障害のアンバランスな認知特性
検査結果を理解して支援するために、検査結果の活用が求め
られています。
これは全く依存がない。

では、一歩進んで関係教員は検査とれた方がいいと思います
か?

 私はどうかなあ?と思っています。
検査結果の活用の前に検査情報の入手は必要になってきます。
活用するためには検査の構造ややり方知っておくことは必須。
でもなあ、気を付けないとお手盛りになってしまうと思うのです。

客観的なデータを扱う場合は、客観的な立場のヒトが関わらない
と客観性がかけていく。
検査の基本はラポートや関係に影響されないテスターが標準化
された方法論で実施していく。このことが崩れない方がいい。
このことの遵守をしたいもの。
結果に影響が及ぼしてしまう可能性がある。

この客観性をどこまで、どう担保するかです。
私の中では、あんまり身の回り=事情がよくわかり過ぎている。
こどもの生活フィールドに近接しているとなると客観性はかけて
くるのかなとなんとなく感じます。

就学指導に関わるデータなんかはなんとなくコントロールの香り
がして嫌な気がする。
できるだけ医療や心理にとってもらった方がいいような気がする。
むしろ、就学指導=学籍の移動に関係する場合こそ手間暇かけ
て家族の理解をすすめて、学校周りより遠くで客観的な判断を
してもらえるようにコーディネイトしてほしい気がします。

 でも、病院も検査してくれる所も近くにはないんだから…
遠いから行かない→家族の理解が動かないという現実もあります。
そのことも百も承知です。
データがないよりは多少揺れていても客観的な指標がある必要
があります。現実対応としてはまあ、支持します。

教員のスペシャリティの中に「必要な事柄を自分のものにしてこ
どもたちの学びに活かす」という特性あります。
これは本当にすごい。

一方で、支援者が「なんでも自分でやらない」というのも私は専
門性だと思っています。
セカンドオピニオンの余地があるように。
支援される側が選択できる余地があるように。
ひとりが間違った方に誘導してしまうという間違いを防ぐために。

人材活用なんて言葉もちょっと浮かんできて、とてもとても難しい
話題です。

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感覚と身体と発達障害の全体像

 ちょっと資料をいただきました。

興味深かったのは「感覚の過敏と鈍麻」というタイトルのひと
くくりの資料です。
これは重要な切り口で彼らの存在のありように過敏性と鈍麻
性が大きく影響しています。
例えば対人トラブルも質をみていると、そこに大勢ヒトのいる
その場、刺激満載のそこがそもそも不快ということが少なくあ
りません。

思うのです。
発達障害というのは2階建ての構造をしています。

    対人     2階
感覚・身体・認知  1階フロア

感じ方の特異性、それに連動している運動性のトラブル様々、
認知という感覚情報の処理の問題が土台になって、参加・コミ
ュニケーションがうまくいっていない。

    対人     2階
    感覚     1階フロア
もっと大きくくくってしまえば感覚の特性の結果として対人困難
があるといっても言い過ぎではないのかもしれない。

この構造をおさえておくことが大切だと思うのです。
2階のことが大きな課題でけっこう本質的な問題だと思うのです
が、だからといって2階にばっかりアプローチを仕掛けてもうまく
いかないことが多い。
1階の感覚(身体・認知)に問題の質をみたり、そのあたりを調整
改善してあげた時にみえてくるものがある。

発達障害は多様な要素でされています。
あんなこともそんなことも…というコレクションだけでは混乱する
だけです。
階層や構造をみながら、課題を整理していくことはわかりにくさ
を軽減させると思うのです。

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支援の「発達段階」

 なるほどなあと思ったことです。
幼児期の熱心な取り組みの向かう先がみえたのです。

発達障害などへの取り組みが熱心な保育園のお手伝い
を数年しています。
TEACCHやユニバーサルデザインについて熱心な取り組みを
している園です。

今年は発達段階のおさえをしているのだそうです。
ある先生の率直な感想です。
「こんなにこどもの育ちにばらつきがあるとは思わなかった。」
「だとしたら今まで一斉にむきになっていたのに無理がある。」
「個別的な取り組みにするのにまったく躊躇しなかった。」
そして、こうやって取り組んだ保育は個が充足し、集団がつながり
はじまっているそうです。

数年前、文科省の指定研究「幼児教育支援センター事業」を手伝
ったことがあります。
幼児期の特別支援教育のモデル研究でしたが、この事業2年間を
終えた園も向かった先は「発達をおさえよう」でした。

そうなのです。
「発達」が入口で出口。

やっぱり発達が教えてくれることがあります。

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愛着を育てる保育

 乳児、未満児の保育に担当制をやっている保育園が増えて
きているようです。
いろいろな目的意識があると思いますが、担当制の眼目は
「愛着形成」だと思うのです。
私はそれ以外にないと思うのですが、案外そのことが押さえら
れていないようなのです。

「複数担任であるがゆえに、かえってある特定のこどもに目が
集中してしまって行き届かないことがあったがそれが解消され
た。」ということを聞いたことがあります。
でも、これは目的でも、メリットでもなくて結果です。
何かを生み育てる意図的な保育ではないように思います。
それにここで起きた結果は管理や対処です。

愛着の形成のためにどんなしつらえをするのか。
保育園は乳児期であっても複数のこどもをみなければなりませ
ん。

ある保育園の研修でのこと。
担当とは、食事と排泄をいっしょに過ごすセンセイのことなのだ
そうです。
そのことによってこどもは自分の先生と意識するのだとか。
よく考えたら一次的な欲求の充足に関与しています。
これは大事なおさえです。

ただ、大人が自分の担当だと抱え込んでもそこに愛着が成立す
るかはわからない。
どこをおさえるかは重要なのでしょう。

一方、私は思います。
愛着は甘美なもので、それはえこひいきによって成り立つと。
「えこひいきできますか?」と宿題出してしまいました。

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学校巡回でみえた学齢期の景色

 乳幼児期のレポートを前の記事でしたので次は学校での
景色です。

この学校はよく発達の課題を抱えたこどもたちを支えています。
担任の手の中でこうした特性をもつこどもたちは包まれていま
す。

以下のケースの頭には「なんとか参加できているけれども…」
「状態像は年度当初より劇的に改善しているけれども…」
「クラスの中には居られるけれども…」
「学習面でできることもあるけれども…」
がつきます。

・意欲がまったくない、偏食が多く家庭でも食べ物がない。
ゲームに依存し、家庭と日中生活の対比が大きい。
宿題まったくやってこない。

・空気が読めず、言ってはいけないことばかり言ってしまう。
友達が遊んでくれなくなってきた。
「なぜだろう。」という気づきも。

・度を超したマイペース。関わり、参加に動機がない。
担任との関わりは良好だが…

こんなケースがあがりました。
思春期を視野に入れた「この個大丈夫だろうか?」というまなざ
しです。
行動問題への対処はなんとかできるようになった。
学習支援はまだまだ容易ではないが、授業の工夫などで少し
でもとは考えている。
次は参加の質や先の課題を見据えて…

いろいろ課題はありますが、徐々に徐々に特別支援教育は深
まっているのでしょう。

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要保護児童対策に子育て状況をみる

 あるまちの要保護児童地域対策協議会に参加しました。
そこでみえた現代の子育て状況です。

まず、シックマザーと発達障害を抱えたこどもの問題。
そして、要保護家庭の流入流転。

考え込んでしまったこと

・シックマザーのために、登園できない。
こどもの状態像は悪化していない。
来れないが、母親の中では入園させている意識はある様子。
病気の母親なりの文脈とこどもの発達保障。

・頭部外傷で後遺障害を負ってしまった。
こどもは療育の必要性という新たな課題を抱えた。
療育機関では保育ニーズまでみたすことは容易ではない。
保育か療育かという選択の困難という課題も出てきた。

まだまだたくさんありました。
子育てをめぐる状況がみえてしまい、資源やサポート、制度の
隙間を突くようなことばかりです。

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こどものことはどこでやるのか?

 障害福祉のこどもの部分は自立支援法から児童福祉法に
うつされます。
そして、都道府県が行っていた役割も市町村に降りてきます。
今、関係市町村ではこどものことどこでやるのか?ということ
で持ち切りです。

障害とはいいにくい側面もある発達障害も含んでどう対応して
いくかということです。
福祉では障害が確定している方のサービス支給などを行って
いますが、現実面ではこども部分に関わる場面は多くありませ
ん。現行、児童課は障害性の支援サービスは網羅していません。
児童課・福祉課というような行政支援の枠組みと支援が必要な
ヒトが欲しいサービスとのミスマッチが大きくなっています。
いち早く「こども」担当課を設置した所はちょっとはまってきてい
ます。
育ちの多様性は支援システムを変えそうです。

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つながってくると見えてくるもの

 ある地域の心理さんと研究会でお話し。
この方、ちょっと前まで乳幼児期担当だったのですが、最近は
学齢期の仕事も増えてきているそうです。

そこで思ったというのは…
「乳幼児期だけの仕事の時は、早くとかこの時期になんとかし
なければと思ったけど、問題が顕在化するタイミングも違うし
ライフステージ毎にそれなりに支援が行われているからそんな
にあせらなくてもいいんですよね。」とのこと。

同意します。

フィールド広く、ライフステージに広がりを持ってネットワークを
つくると自分以外の支援がみえます。
困難が顕在化するタイミングが個々によって違う。
早期に検出はできるけれど家族と共有できる時期は違う。
そんな特性を思うとき、「今ここで」とギリギリしないことは大事
なことだと思います。

本人と御家族と支援者自身と他の支援者を追いつめなくて済む。

アウトリーチと連携の必要性はこのあたりにも根ざしています。
「やったほうがいいことと、やらなくてもいいことがわかる。」

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巡回相談とは何か?

 「巡回相談とは何か?」を今更ながら考えています。
いろんな現場でいろんなことがありまして(笑)

コンサルテーションというのは外せないのだろうなと思っていま
す。専門家による専門家による支援です。
時々、御家族とやりとりすることがありますが、園・学校など日
中活動の場で面接をするとぶれる気がします。
昼間どう過ごすか、支えるかを応援しにいく場所で、御家族と
お話しするのは難しい。
面接はスキルだけでなく、環境や構造に強く影響されます。
巡回相談は日中の場をどう支えるかを考えるのが主な役割
なのだろうなと思います。

もうひとつ難しいのが、専門性と専門性が対等でかみ合ってい
るかということ。
最近は減ってきていますが、「丸投げ」のことです。

これは自分の専門性に対する誤解から生まれていると思ってい
ます。勝手に限界設定をして相手にお任せしてしまう。
ですから、
・手伝い過ぎない。
・お手伝いの質を考える。
・実践を支持する提案をする。
ということ気を付けています。
まあ、それにどんなことでも「誰かにやってもらおう。」なんて場面
には「違うよ。」「甘たれんな。」を伝えなければなりません。

啓蒙啓発というのは、「支援はあなたがこの現場でやるんだよ。」
を伝えることではないかとさえ思っています。
「あなたがやるんだよ。」を伝える。

そんな訳で巡回相談員に求められるスキルの本質とは、支援技
術や知識理解よりも、相手の支援者の支援をコーディネイトする
力なのかなと思っています。

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