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ふたりの違い

地域移行したふたりの検査結果をあわせみる機会があって考え込んでしまいました。

フルIQは全く同じです。
長く入所が必要だったふたりです。
実は予後が全く違うのです。

IQ60台ですが、ひとりは就労し、ひとりは生活介護に通っています。
ふたりは被虐待児です。
ふたりともネグレクトでしたが、後者はきっと心理的にも身体的にも被害を受けていたはずです。

違いは、前者は幼児のうちに保護されました。後者は高学年になって保護されました。

前者はちょうど施設内療育をはじめた頃の入所で、本人の力もあって多くのチャレンジをしました。
電車で地域の学校にも通いました。

後者は情動が安定しませんでした。受容と承認の欲求も強く、注意引きも多かったです。
高等部は週数日の登校でした。

IQ60について考えます。
前者を思うとこのIQでも就労できるんだなあと思います。
まあまあ、これは結果としてのいまの姿であってこれまでの経験やこのヒトの努力などはかなり深いものがありました。
実は小さい頃はもっと高い数値もあったので知能構造、学習構造にはもっと分析が必要です、きっと。

後者はこのIQで生活介護はちょっともったいないのかもしれません。でも、この人を支えるためには生産よりも承認で、情動の安定と受容を生活の基盤とすることが大切だろうとなりました。

「予後」の話なのでしょう。
早期支援の話です。
一方、ふたりは今、前に進んでいます。
スタートラインが違うだけともいえます。

申し添えると、ふたりとも希望と充実の春を迎えています。

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