幼児期の支援

「発達」と「方針」

     新人保育士さんのつぶやきに考えたことがあります。
その園では、ごはんをたくさん食べたら眠くなるだろうというこ
とで、 ごはんをサッサとぜーんぶ食べさせるのが方針なんだ
そうです。
でも、私にはできない…なんだそうな。
そりゃそうだ。嫌いなものもある、おねえさん先生には甘えち
ゃう。食べないよねえ。 逆にできてもだめだよねえ。

そして、どうやら彼女はできない不全感だけでなく、園の「方針」
というやつにも納得いってないのです。
とにかく食べるが食べさせるのが大事と、こどものベースを尊
重しようが大事、の葛藤です。
もっというと路線闘争。

どっちかじゃないんだから、この議論は無意味。
両方やればいいし、そんなのケースバイケース。

それに場面や気分の多様性と、食を巡る個体の状況と多様性
に応じていない。
「方針」が「発達」を無視してこどもの前にあるのは違う。
方針が多様性という発達の特性を無視してあるのは違う。
大人はこういうのつくりたがる。 方針、あっていいが、それはこ
どもの育ちや願いに根ざしたものでなければ、ただの保育ごっ
こ学校ごっこ先生ごっこの自己満足だな。

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推測

 ちょっと前から登場している愛着障害の幼児さん。
最近、いくつかあらわれが。
①てんかん発作がありました。
②なんだか食事前になると情動ゆれること頻発。

 ①でなんだか氷解した部分があります。
この個のイライラや情動のゆれはひょっとしたらてんかん性
のものも大きいのかしらと思ったのです。
たしかクレッチマーなんかがてんかん性性格なんていったの
を思い出しますが、性格は知りませんがイライラが強かったり
情動がゆれやすいのは経験的に理解できます。
そりゃあそうかもしれません。脳内が落ち着いていないはず
ですから。
 ②もなんだか生理的レベル医学的なレベルの推測検討って
必要かなと思っています。
我々も空腹で情動は揺れます。
この個の場合、知的、発達障害・愛着障害・てんかんそれぞれ
の部分で脳機能の脆弱性が疑われるのでごはんまえになると
暴れちゃうはありうることかもしれません。
チョコだが飴だがひとつあげとこうかな。

あくまでも推測でしかありません。
これで支援を組み立てていこうなんて思ったらきっとナンセンス。
けれども、原因の探求を明確にできない所で行動問題に対処
していくためには、目に見える行動要因に焦点化するか、
こういう推測からある種あてずっぽうでも手だてを生み出す
みたいなことも見えてきます。

 あとはこの個、面会をしてから「あかちゃん」遊びとみたてが
ふえています。あかちゃんが生まれたから家族と離れ、自分
もあかちゃんになりたくて…

苦しいなあ、この子。

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2歳代の療育を支えるしくみ

 見学の対応をしました。
2歳代の自閉さん。とっても特徴的で育てにくさ満点です。
でも、一方出しですが共感性や内言語が出てきており、きっと
確かに変わっていくだろう育ちが見えます。

ただ、お話をきいていて考えてしまったことがありました。
午前は児童発達支援事業に通っていますが、そこは午前は
療育、午後は放課後児童デイという体系です。
また、この手のサービスは長期休業中は放課後デイ優先で
療育は休みになってしまうのです。
最近、この地域に徐々に広がりつつあるサービスです。

光と影がみえてしまいました。
この福祉圏域は奇跡的に各市にひとつ児童発達支援がある
地域ですが、御多分にもれずすべてのニーズをみたすことが
できません。
最近は特に早期に発見された2歳代の療育が特に難しくな
っています。いちばん育てにくい時期にじっくり支援すること
が難しい。
これはおおきなシステム上の課題です。

そして、放課後デイとの組み合わせ事業はここを埋める可能
性がある事業のひとつでもあります。
けれども、放課後デイの方が儲かるのである時期は療育が
疎外されてしまう。
これは部分的にせよ療育難民をちょっと作ってしまっています。

今日の2歳さん、特徴的で可能性も秘めているにも関わらず
療育の安定的保障ができていない。
考えてしまいました。

見学で提案できたのは、もう療育をやっていないので居宅
支援での休業中の保障の提案と発達の評価でした。

動きが多く、疎通性よくないので禁止や行動制限多い。
これは仕方ないのです。
あるお兄さんの部屋に入って彼はギターに興味を持ちました。
興味はありますが、用途を彼は知りません。
おかあさんは、「ダメよ!」
私は弦をはじいて音を出してみせました。
ザ・自閉くんはそれをみて、私の方を向いてニヤッとしました。
初期の療育のテーマと手だてはこれです。

いろいろ考えました。

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わかっているはず?

 よくいう言い回しです。
「この子わかっているはずだけど、やってくれない。」
やってくれない事実がある一方で、あとからやれたり、知的な
理解の確かさが確認できる他のあらわれがみえたりするのだ
と思うのです。

でも、本当?
本当にわかっているというのはやることじゃありません?
行動の成立があってはじめてわかっていると思うのです。
認知や行動論じゃなくて日々の生活、支援の話ですよ。

となると、やらない奴はわかっていないと思って支援するのが
前提だと思うのです。
わかっているこどもになると、途端に支援の対象でなくなったり
支援レベルが下がる傾向にあります。
わかっているのにやらない=わがままなんて論調が飛び出し
たり…
(わがままであっても支援の対象でそれがぶれるのもどうか
とも思いますが。)

わかっているのにやらない。
そうはいってもあります。
切り替えができない。気乗りしない。全体に知的レベルは高い
けれどマイペース、理解に偏りなど。
それぞれに支援が必要で手だてがあるはず。

「わかっているのに」論の課題は、わかっているの質的分析が
行われない、支援が滞ることです。

行動ではかるべき、行動で理解評価すべきの意味はここにも
あるのかもしれません。

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かわってきたのかな?

 10年続いている事例検討会の今月分が終わった後、ある
園長先生がつぶやきました。
「かわってきたねえ。若い人たちが普通に視覚支援を口にす
るもんねえ。」

私もそう思います。
こどもの発達の課題についてベテランは「関係性」だけで解決
しようとします。家族関係、担任との関係云々。
それだけでは足りない。
関係をうけとめるこどもの中の特性についても吟味しなければ
ならないのです。

この回、お話をきけない個の話題になりました。
お話を聞いてもらえる関係性も手だてですが、伝え方・聞く環
境について第一に考えるのがもはや常道だと思います。
仲良くなってもわからないものはわからないし、集中できない
ものはできないはず。

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逆行

 ある地域の今年の現状です。
こどもたちの居場所が市内全域にあり、療育施設だけに特性
のある子が集まるわけでなく、保育のチャレンジが広がってい
る地域だと思っていました。

療育施設のスタッフと話をすると、そうでもなくなってきているの
だそうです。
行事ができない、行事に乗りにくいというストーリーの中で特に
幼稚園の受け入れが良くなくなっているのだとか。
空きが増えているのに?

私に与えられた役割の中でいくつかお話を改めてしました。
・早期発見早期支援は園の役割であること
・一定のみたてができ、支援が創造できるのがあるべき姿

シジフォスの神話を思い出しました。
でも、シジフォスはあきらめないでまた、重い荷物を担ぎ上げ
ようとするはずです。

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10年

 幼児期の事例検討会の年度最終回がありました。
会場や体裁はかえながら続けてきた会も新年度は10年目に
なります。
よく続けたものです。

いろいろなことを思います。
発信は私をかえたと思います。
支援の新世界をどうつくろうか、日々考える場になっています。
現場も少しづつ変わっています。
若い先生たちのキラキラしたまなざしと足りない言葉での語り
をうれしく思います。
定期的な学びの場は地域の資源にもなりました。

10年目も変わったことはしません。
ただインシデントプロセス法で、事例検討をする。
事例提供者に、支援の方策をみんなでプレゼントする。
時々、私が語りたいことを語る。

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その後

 先日の「クラス運営」研修に向かうという記事の後日談です。
アンケートで反応良かったのは、クラス運営の原理ではなくて
個別の事例をはさんだ個への支援のしかたでした。
現場はまだ、個への対処が焦点で、そのこと自体を創造する
状況にもないのでしょうか?
いただいた923さんのコメントを思い出しました。

そのあと、別の所でやったプラン作りの研修の課題を添削し
ろと回ってきました。眺めてみて愕然としました。
・みんなと同じことをするという目標で
・手立てもみんなと同じしかなくて
・個別の配慮はしなくて
・行動の分析はなく、行動問題の消去はしたくて
というようなプランばかりで倒れそうでした。

保育の持つ力を知っているだけに、一方でこのプランに流れる
思考に(病癖みたいなもの)絶望さえ感じました。

けれども、クラス運営の研修の終わりに
「もっとクラス運営について学ぶにはどうしたら?」というお尋ね
をいただいたことも思い出しました。

私は「それはセンセイが創造していく分野ですね。」とお答えし
たのです。

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姿勢がみえてしまったのか…

 月末に保育向け研修の講師をします。
テーマは「発達に特徴のある子の参加を支えるクラス運営」
すてきでしょ?

なのですが、ちょっと考え込んでいます。
少しお話してフロアとのやりとりをたっぷりということになり、
事例を募りました。
ところがところが、出てきた事例はクラス運営関係なしの「私
の困っている事例」なのです。
個別の支援の方法についての話題なのです。
2歳児のケースなんてのもたくさんたくさんあって…

 ①ききかたが悪かったかなあ…
 ②クラス運営ってクラスがうまくまわる、まわすこと、クラスに
うまくはまってもらうことだと思っているのかなあ…
 ③現場はまだまだ個の対応におわれていて「クラス運営」とか
「ユニバーサルデザイン」なんて時期尚早かなあ…
 ④その他

どれだと思いますか?

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くだらない

 園内研修のお手伝いに伺いました。
とてもいい保育をしていました。

年長さんの保育が印象的でした。
教材教具を使った遊びを小さい頃は「会社」といったそうです
が、最近は「研究」とこどもたちが名付けて自ら発見し学び
とる日々を送っているそうです。

最初はこどもたちのそんな要求に答えていくことに担任の先生
も抵抗があり、「私の意図があったのに…」と思うことも多かっ
たといいます。
ただ、こどもたちの様子をみていると、意図しようと思っていた
学びは内在していることがわかり、考えがかわったのだと教え
てくれました。

そんなひとりひとりの学びがみんなにつながって集団の活動に
もなっっています。

もちろん、すべてがそれで展開しているのではなく、提示され
設定された活動があります。

ここではもちろん構造化や視覚化も行われています。
保育の重要な軸にユニバーサルデザインがあります。
リソースルームも運営しており、インクルーシブも向かうべき
方向だと確認されています。

 そんな保育を公開したそうです。
参観者の感想
「先生の保育は自由保育ね。この保育の集団を求めても無理
ね。」とあったそうです。

これをきいて愕然としました。
この視点がインクルーシブやユニバーサルデザインを邪魔する
のでしょう。
「自由か設定か」という二元論でしか保育が捉えられておらず
保育研究の枠はそこしかないと思っている。
設定は一斉でしか実現しないと思っていて、設定された保育が
集団の保育だと思っている。
この視点、学校保育に巣食う害悪といっていい。

私には個が有機的に結びついた先の集団がみえました。
保育場面のそこここに保育者の意図がみえました。

保育技術ということは、活動やこどもの動かし方だけじゃない。
こどもが生き生きと学び出す教材教具をそっと用意すること。
よく動ける、刺激を低減する環境を用意すること。
よくこどもがわかって活動できる視覚的支援を用意すること。
これもすべて保育技術だといえます。

 ちょっと難しいのは当たり前の取り組みが先進的なとりくみで
ある現状があり、守旧派と戦っていかねばならないこと。
この園は古い保育観と戦う必要があり、依然として」チョーク&
トークで授業が進む学校と戦う必要があります。

がんばれ。

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